弱さを見せたくない。
頼られたいし、“できる人でいたい”。
立場が上がるほど、その意識は強くなるものだと思います。
私も以前、そうでした。
ふるまいは落ち着いて見せながら、
不安や迷いがふと表情に出てしまわないか──
その気配に、どこか神経を張っていたように思います。
それが見えた瞬間に、
これまで築いてきた信頼まで揺らぐ気がしていたからです。
強くあろうとするほど、
「自分は本当はどうしたいのか」が分からなくなる瞬間があります。
どちらが正しいか、どちらが無難かを考えるうちに、
いつの間にか、自分の基準が後ろに下がってしまう。
弱さを隠しながら“できる人”でいようとするほど、
本音との距離は少しずつ開いていく。
この記事では、その状態がなぜ起きるのか、
そしてどうすれば自分の基準に戻れるのかを整理していきます。
■「できる人」であろうとするほど、判断は外に寄る
責任のある立場になるほど、
迷いや不安を表に出さないことが習慣になります。
周りを安心させたい。
期待に応えたい。
判断を任せてもらえる存在でありたい。
その姿勢自体は、とても誠実です。
ただ、その意識が強くなりすぎると、
判断の出発点が少しずつ変わっていきます。
本来、選択は
「自分はどうしたいか」
から始まるものです。
けれど気づけば、
「どう見られるか」
「失敗しないのはどれか」
「周囲にとって無難なのはどれか」
そんな基準が前に出てくる。
そうして選んだ答えは、
間違ってはいないのに、どこか納得できない。
この小さな違和感が積み重なると、
選んでいるはずなのに、前に進んでいる感覚がなくなっていきます。
■本音が判断の前に出てこなくなるとき
本音がはっきりしない状態が続くと、
人は自然と違和感や焦りを抱えます。
・やるべきことは分かっているのに動けない
・決断しても気持ちが落ち着かない
・どれを選んでも手応えがない
これは「優柔不断」なのではなく、
本音が判断の材料として使われていない状態に近い。
強くあろうとするほど、
弱さや迷いを直視する余裕がなくなります。
その結果、心の奥で感じている違和感や希望を、
無意識のうちに脇へ置いてしまう。
すると判断は、ますます外側基準になっていきます。
五行易では、
こうした状態を「吉凶」ではなく、
今の自分と選択が噛み合っているかどうかとして見ます。
迷いや停滞が出るときは、
行動の問題というより、
選択している自分の状態が整理されていない場合が多いのです。
■選択がぶれなくなるのは、弱さを無視しなくなったとき
大きな選択ほど、
不安やためらいが出てくるのは自然なことです。
それは決して悪い兆しではありません。
むしろそこには、
「自分は何を大切にしたいのか」という感覚が残っています。
強さだけで決めると、
判断は早くなりますが、納得感は薄くなりがちです。
一方で、不安や迷いにきちんと目を向けると、
選ぶ理由がはっきりしてきます。
経営者でも、責任ある立場の人でも同じです。
強さの中だけで決めなくていい。
弱さの側にも、進む方向を教えてくれる材料があります。
それに気づいたとき、
選択は不思議とぶれにくくなります。
■自分の基準に戻るためにできること
1|本音だけを書く時間をつくる
5分で構いません。
条件や役割をいったん横に置き、
「自分はどうしたいか」だけを書き出してみてください。
これだけでも、迷いの質が変わります。
2|誰かに話す・相談する
これは弱さではなく、
判断基準を外に出して整える行為です。
言葉にすることで、自分がどこで引っかかっているのかが見えてきます。
3|小さく“かっこ悪い選択”をする
頼る、任せる、分からないと言う。
ほんの少し自分に余白を許すと、
本音は戻りやすくなります。
■まとめ:“できる人”でい続けようとすると、本音は後ろに下がる
責任がある人ほど、
「できる人でいなければ」「弱さを見せてはいけない」
そう思いやすくなります。
でも、その意識が強くなりすぎると、
本音が後ろに下がり、選択が他人の基準になっていく。
弱さを認めることは、
立場を失うことでも、甘えることでもありません。
自分の基準を取り戻すための、現実的な行動です。
迷いが続くときは、
本音が置き去りになっていないか。
そこを見直すタイミングなのかもしれません。
もし今、
「どこを基準に選べばいいのか分からない」
「判断がぶれている気がする」
そんな感覚があるなら、一度整理してみませんか。
五行易では、
今の状態と、選択の流れを客観的に見ていくことができます。
ひとりで抱え込まなくて大丈夫です。
必要なときは、お気軽にご相談ください。

